REPORT アーストラベルの旅

勝田第二中学校 八郷でSDGs校外学習~朝日里山学校&企業見学

教育旅行

2022年6月6日(月)、ひたちなか市立勝田第二中学校(中学1年生)の校外学習を実施しました。あいにくの雨でしたが、石岡市八郷地域の企業見学6つ、いばらきフラワーパークでの散策、朝日里山学校内でのチーム・ビルディングを実施しました。
今回は、この中から朝日里山学校、企業見学2か所の様子をレポートします。

コンセプト

コロナ禍でも可能な茨城の魅力・産業にスポットを当てた職場見学及び企業訪問

朝日里山学校でチーム・ビルディング!

朝日里山学校は、2004年3月に閉校した旧朝日小学校を活用した体験型観光施設です。今回は、朝日里山学校内の各教室でチームビルディングを実施しました。

チーム・ビルディングでクラスの中を深めよう

そもそも「チーム・ビルディング」とは一体何なのでしょうか。
「チーム・ビルディング」は各メンバーのスキルや能力、経験を最大限に発揮し、目標を達成するチームを作り上げていくための取り組みのこと。
「チーム・ビルディング」を実施することで、新しいアイデアの誕生やコミュニケーション量の増加といったメリットがあります。

今回の校外学習は、中学1年生。小学校を卒業し、4月から新しい環境となり、まだまだお互いのことを知る期間。コミュニケーションをたくさんとって、クラスの仲を深めていってほしい!そんな先生方の要望により、チーム・ビルディングを実施する運びとなりました。

チーム戦で高さを競う!マシュマロ・チャレンジ

今回挑戦した、チーム・ビルディングの中で最も有名なゲーム「マシュマロ・チャレンジ」の様子をお届けします。
「マシュマロ・チャレンジ」は、制限時間内に乾麺のパスタ、テープ、ひも、マシュマロを使って、自立可能なタワーを組み立てていくゲームで、最も高いタワーを作ったチームが優勝です。

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与えられた備品を使い、チームで相談しながら作業をしていくため、チーム内でのコミュニケーションや役割分担などが重要なポイントとなります。

今回はこの「マシュマロ・チャレンジ」を各2回ずつ実施しました。
1回目は、初めての挑戦ということもあり、試行錯誤しているうちに終わってしまった…といったチームが多く見られました。

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2回目は、1回目の失敗を踏まえて、どうしたら高いタワーを作れるのか、コミュニケーションを取り、役割分担をするチームが多く見られました。

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その結果、1回目は0cmだったチームもタワーを組み立てられたり、さらにタワーの高さを伸ばすといったチームも!

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「マシュマロ・チャレンジ」の結果は、各々異なりますが、仲を深められたそんな時間だったように思います。

企業見学

企業見学①:岡野ファーム

2021年6月に開業した、ブルーベリーの観光農園・岡野ファーム。岡野ファームでは、実際に栽培するブルーベリーの見学と農園を経営する上での想いについてお話を伺いました。

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観光農園をオープンしたきっかけは、地域の高齢化、若者の都会への就職により、農業が続けられず、遊休地となった畑や田んぼが増えたこと。

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まさに「人がおらず、地域が寂しくなった」と感じ、自分たちが今立ち上がらなければ、次世代へ繋げていくことは不可能だと強く思ったのだそう。

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また、八郷地域は、大自然と古民家といった日本の原風景もさることながら、何よりも食べ物が美味しい!そんな場所で、農家が少しでも工夫すれば、持続可能な農村ビジネスが生まれると考えたとも語ってくださいました。

その言葉の通り、岡野ファームでは、ブルーベリーの観光農園を経営するアグリ事業、自分たちで栽培したものを自分たちで加工して販売する6次産業化事業を手がけています。
6次産業化事業では、ブルーベリーをジェラートに加工して販売中。今回は、お話を聞きながらこのジェラートをいただくことができました。
ジェラートは、畑で採れたブルーベリーはもちろんのこと、茨城県産の牛乳をたっぷり使って作られています。

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そのほか、遊休地となっている田んぼや畑を再活用すべく、ITを活用した貸農園事業も検討中なのだとか。

身体の資本である「食べること」を大切にし、この地域ならではの里山を体験、のんびり過ごすことで、買うこと以外の楽しさも感じてもらえれば嬉しいとのお話に、生徒は真剣にメモをとっていました。
また、ジェラートはどのくらい売れるのか、1回で何人分作れるのかといったように、ジェラートに関する質問をする生徒が多かったです。
普段、暑い日に何気なく食べているジェラートも、地域の方が想いを込めて作られていることを知れたことは、良い学びになったのではないでしょうか。

企業見学②:嶋村観光果樹園

筑波山の麓で、1962年から始まった、みかん狩りと柿狩りを楽しめる嶋村観光果樹園。この果樹園では、実際に栽培するみかんの木の見学、栽培する上での想いについて、お話を伺いました。

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暖かい場所で育つみかんは、愛媛県や和歌山県が有名ですが、茨城県石岡市も「みかん栽培の北限」と呼ばれ、みかんが育つ最北端の地域。逆転層という独特の気候により、みかんが育つのだとか。

6月ということもあり、みかんはまだ小さい赤ちゃんの状態。食べごろではないですが、普段はなかなか見られないこの時期のみかんを見てもらいたいということで、実際にみかんを見させていただくことになりました。

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とても小さい赤ちゃんのみかん。みかんを見た生徒からは、なぜ硬いのか、なぜみどりなのかといった質問がありました。
また、この辺りのみかんと愛媛県や和歌山県など本場のみかんとの味の違いの説明も。本場よりも酸味が強いものの、少し寝かせると甘みも出てまた違った味を楽しめる、消毒もなるべくしないので、身体に優しいみかんを提供しているといったお話もありました。

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また、生徒に向けて、仕事をする上でのやりがいや大切にしてほしいことなど、以下のように語ってくださいました。

「農業は1年間休む暇なく作業があり、天気にも左右され、肉体的にも大変なことが多いです。それでも、10月に入ると、みかん狩りをしに観光客がたくさんやってきて、楽しかった、美味しかったと言ってくれます。たったその一言が1年間の大変だったことを全て忘れるくらい、やりがいにつながっています。」

「一生懸命何かに取り組んだ先には、達成感があり、見える景色も変わってきます。皆さんも何かに対して、夢中になれること、これだけは頑張りたいということを見つけてほしいです。これは仕事だけでなく、生きていく上でも大切だと思うので、色んな事にチャレンジしてください。頑張った先には、必ずやりがいも見えてくると思います。」

嶋村さんの言葉を真剣に聞く生徒が多く、彼らの心にもしっかり届いたのではないかと思います。

校外学習を通じて

勝田第二中学校主任の富永先生よりコメントをいただきました。

あいにくの雨模様の中での実施でしたが、貴重で充実した内容の活動ができたと思います。朝日里山学校での「ウッドバーニング」や「マシュマロチャレンジ」、「縄ない体験」の体験活動は、生徒たちにとって、日常では到底体験できない体験で、本当に良かったと思います。自分たちでは、なかなか計画や実行に移すことがない活動を行程の中に設定していただいたお陰で、生徒たちに貴重な体験をさせることができました。また、企業見学では、限られた時間の中で、様々な業種の企業を訪問し、それぞれの生産者のお話をうかがったり、施設見学をしたり、キャリア教育と関連した活動・学習ができました。まだ「働くこと」に対し興味・関心が薄い生徒たちにとっては、たくさんの業種に触れることも必要かもしれないと考えると、1クラス1箇所だけでなく、複数の企業見学を行程に入れる方法もあったかもしれません。
この校外学習の企画・当日の案内・運営等、スタッフの皆様には、大変お世話になりました。我々学校職員だけでは、このような企画・企業選択等、なかなかできないことです。さすがプロだなと改めて感動しました。また、たくさんの気遣いや配慮に深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

以上、ひたちなか市立勝田第二中学校の校外学習レポートでした。

執筆:谷部文香