REPORT アーストラベル水戸の旅

関東学院中学校高等学校 / つくば探究宿泊学習

教育旅行

神奈川・横浜で学ぶ、関東学院中学校高等学校の中学2年生。これまでの修学旅行は、京都・奈良の名所を巡る、いわゆる「点」の観光でした。そんな生徒たちに「学びの先に何があるのかを実感してほしい」という思いから、2025年度より、茨城県つくば市を舞台にした「つくば探究の旅」を実施しています。農業や福祉の現場、研究機関、スタートアップが集まるつくばで、現場の課題から研究、社会実装までを辿ります。

今回の旅は単発の修学旅行では終わらせず、事前学習・現地プログラム・事後学習を組み合わせた年間プログラムとして設計しています。今回は、その中心となる「つくば探究旅」の中から、最先端の科学技術と宇宙の未知に挑んだ「宇宙コース」の様子をレポートします。

実施概要

  • 学校名:関東学院中学校高等学校
  • 対象学年:中学2年生 約250名(6クラス)
  • コース:宇宙コース|全3コース中の1つ(アントレプレナーシップ/宇宙/第一次産業)
  • 実施日:2026年3月中旬 ※インフルエンザ流行により11月から延期して実施
  • 行き先:茨城県つくば市(JAXA・スペースエントリー(株)・KEK ほか)
  • 旅行形態:完全オーダーメイドの探究宿泊学習
  • 年間プログラム:
    • ① 事前学習(7〜10月)|アプリで課題解決プロセスを体験
    • ② つくば探究旅|「現場・研究・実装」を辿る2日間 ➔ ★本記事
    • ③ 事後学習(2026年度〜)|探究×事業プラン立案カードゲーム

【1日目・午後①】宇宙開発の最前線!JAXAガイドツアーで体感するリアルな現場

宇宙コースの生徒たちが最初に向かったのは、日本最大規模の宇宙航空開発施設であるJAXA(宇宙航空研究開発機構)です。今回は、ガイド付きツアーで見学を行いました。

【1日目・午後②】社長と直接ディスカッション!スペースエントリー(株)で知る宇宙産業の課題と未来

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続いて生徒たちが訪問したのは、宇宙開発の課題解決にロボット開発で ろb挑んでいるスタートアップ企業、株式会社スペースエントリーさんです。代表取締役の熊谷亮一さんから、現在チャレンジしているミッションの内容や、これから宇宙産業を発展させていく上でのリアルな現状と課題についての講義を受けました。
宇宙ビジネスの最前線という少し大人向けの内容に、最初は緊張気味だった生徒たちですが、その後の質問コーナーで一気に熱気が高まります。中学生ならではの柔軟で自由な発想から、次々と問いが投げかけられました。

  • 「宇宙で野球をすることはできるんですか?」
  • 「宇宙で温泉に入ることは可能ですか?」
  • 「無重力空間で料理をすると、どういう変化が起きますか?」
  • 「宇宙でできる新しいスポーツを作るなら、どんなルールが面白そうですか?」

これらの素朴かつ本質的な疑問に対し、社長の熊谷さんも正面から向き合い、一緒になって新しい競技の可能性を話し合うなど、ディスカッションは大いに盛り上がりました。中には、講義終了後も熊谷社長のもとへ自ら質問をしに行く生徒の姿もあり、宇宙への興味がそのまま行動に表れる瞬間も見られました。

【2日目・午前】宇宙の始まりを追うグローバル研究。KEKで体験する本格サイエンス

2日目、生徒たちが訪れたのは、世界的な研究機関であるKEK(高エネルギー加速器研究機構)です。

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ここでは、広報を担当するサイエンスコミュニケーターの青木優美さんとともに、「霧箱実験」に挑戦しました。普段は目に見えない、宇宙から絶えず降り注いでいる「宇宙線(放射線)」を、ドライアイスなどを用いた特殊な装置を使って可視化する実習です。生徒たちは装置を覗き込み、「あ、見えた!」「本当に降ってるんだ!」と、身の回りに存在する宇宙のエネルギーを視覚的に捉え、大いに盛り上がりました。

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実習の後は、世界トップクラスの性能を誇る「加速器」や粒子測定器の実物を見学。研究者の方から直接、「電子や陽子を光速近くまで極限に加速させて衝突させ、宇宙の始まりの謎を解き明かそうとしている」という、最先端の研究解説を受けました。
グローバルな物理の世界だったため、高度な内容に圧倒される場面もありましたが、「世界中の研究者が手を取り合って挑んでいる研究の壮大さ」と「日本の技術が世界のベースを支えている事実」を、本物の設備を通して強く胸に刻んでいました。

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すべての行程を終えた生徒たちは、科学の街・つくばでの刺激的な余韻を残しながら、バスで横浜の学校へと帰着。1泊2日の充実した探究旅を締めくくりました。

編集後記|担当スタッフより

「つくば=科学の街」というイメージを強く持っている生徒たちに対し、最先端の技術や宇宙ビジネスに挑んでいる本物の大人たちと出会わせることで、一歩自分ごとにする機会を作れたと感じています。生徒たちのリアクションは非常に素直で、景色や実験の一つひとつに対するきらきらとした表情が、受け入れる側の研究者や起業家の方々にも大きなパワーを与えてくれました。
宇宙という壮大なテーマに、生徒たちがどこまで自分ごととして向き合えるか。来年度、さらに手を動かすプログラムへと進化した宇宙コースを、私たちも楽しみにしています。
担当:橋本