REPORT アーストラベル水戸の旅

東洋英和女学院小学部/茨城宿泊学習

教育旅行

実施概要

学校名:東洋英和女学院小学部
対象学年・人数:4年生 2クラス
実施日:2026年2月中旬
行き先:茨城県(笠間市・茨城町・ひたちなか市 ほか)
年間プログラム:
4年生(2月)|「農業の入り口体験」 ➔ ★本記事
5年生 1回目(5月)|「手植えでの田植え体験」
5年生 2回目(9月)|「稲刈り体験」

【1日目・午前】オンライン事前学習を形に!大津晃窯での笠間焼手ひねり体験

2月中旬の朝、東京駅に集合した4年生の児童の皆さん。特急「ときわ」に乗り込み、友部駅へと到着しました。

ここからバスで最初に向かったのは、笠間市にある大津晃窯(おおつこうよう)さんです。

児童の皆さんは旅に出る前、オンライン形式で大津晃窯の伝統工芸士の大津さんから直接、笠間焼の歴史や土から作品が焼き上がるまでの工程を学んでいました。

そのため、工房に到着した子どもたちの理解の早さは圧倒的。

ただの「粘土遊び」で終わることなく、リスペクトを持って、お皿や置物など思い思いの作品を手際よく作り上げていきました。

自分たちの手で形にした作品は、このあと工房で丁寧に焼き上げられ、後日学校へ届けられます。事前学習から現地での実践、そして手元に届く成果物まで、立体的な学びの第一歩となりました。

【1日目・午後】広大な畑での麦踏み&本格干し芋作り

お昼ご飯を食べ、午後はクラスごとに分かれて、2つの生産現場をローテーションで訪問しました。

① ファームランドさいとう(茨城町)

ちょうど畑から麦が青々とした芽を出している季節。通常は機械で行う「麦踏み」の作業を、今回は特別に児童の皆さんの足で行わせていただきました。

六本木のビル街で過ごす子どもたちにとって、遮るもののない広い空と、どこまでも続く豊かな畑の景色。「わあ、広い!」とテンションは最高潮に。畑の中を元気いっぱいに走り回りながら、一生懸命に麦を踏みしめていました。

作業の後には、その畑で採れた麦で作った自家製麦茶を試食。市販のものとは全く違う豊かな香りと味に、驚きの声が上がっていました。

② 株式会社マルヒ(ひたちなか市)

茨城の名産である干し芋の製造工程を体験しました。蒸かしたてのお芋の皮を剥き、ピアノ線を使って丁寧にスライスし、専用の簀子(すのこ)に並べていく作業です。

柔らかいお芋は想像以上に扱いづらく、子どもたちは「上手に切れない!」と大苦戦。この苦戦の先に、普段何気なく食べている干し芋の裏側にある「人の手」と手間を知る、貴重な機会になりました。

作業中につまみ食いした蒸し芋の美味しさにはみんな大感激で、手が止まらなくなる児童が続出。先生方も子どもたち以上に夢中になって干し芋作りに挑戦されていました。こちらも後日、特別なオリジナルパッケージに包まれて学校へ届けられる予定です。

【1日目・夜】食の学びを深める夜の時間。「栗おねえさん」による特別講話

1日目の全行程を終え、今夜の宿舎であるいこいの村涸沼へ移動。美味しい夕食をいただいた後、夜の特別プログラムとして「栗おねえさん」をお招きした講話の時間を設けました。

茨城県が日本一の生産量を誇る「栗」をテーマに、栽培の苦労や地域の自然環境とのつながりについてお話しいただきます。1日中たくさんの生産現場を巡って頭と体を動かしてきた子どもたちですが、夜の講話でもその集中力が途切れることはありません。「本物の生産者」が語るリアルな言葉にしっかりと耳を傾け、積極的にメモをとるなど、翌日のプログラムに向けて、食へのアンテナをさらに張りめぐらせていました。

【2日目・午前】極上のしじみ汁に感動!涸沼の伝統漁見学と命の尊さに触れる時間

2日目の朝は、茨城町の涸沼(ひぬま)にある広浦港へと向かいました。ここでは、涸沼水鳥・湿地センター周辺の豊かな自然環境をバックに、実際に漁船に乗って涸沼の伝統漁を間近で見学するプログラムです。

網が引き上げられ、実際に水揚げされたばかりの生きた魚が目の前に現れると、児童の皆さんからは歓声が上がります。ピチピチと跳ねる魚の生き生きとした姿に直接触れることで、子どもたちは言葉以上に強く「生き物の命」の尊さを実感している様子でした。

見学の後は、涸沼の名物であり日本3大シジミの一つでもある「やまとしじみ」をふんだんに使ったしじみ汁が振る舞われました。児童たちはまず、東京では見たこともないようなしじみの圧倒的な大きさにびっくり。さらに、茨城町で手作りされた特製味噌を使った温かい味噌汁の美味しさに、「おかわり!」の声が止まらず、用意された大鍋があっという間に空っぽになるほどの人気ぶりでした。

【2日目・午後】茨城の最先端農業を学ぶ!鉾田市の農家見学・体験

美味しいお昼ご飯を済ませた旅の締めくくりは、鉾田市にある2つの先進的な農園への訪問です。

① 株式会社村田農園

日本トップクラスの品質を誇るいちご農園です。まずはハウスを見学しながら、いちご作りにかける情熱や、現代の農業に取り入れられているテクノロジーについてのお話を伺いました。

その後はお待ちかねの食べ比べタイム。「淡雪(あわゆき)」「とちおとめ」「弥生姫(やよいひめ)」という、色も風味も異なる3種類のいちごが用意されました。一口ごとに「全然味が違う!」「こっちはすごく良い香りがする!」と大興奮。本物の味の違いを見事に五感で楽しんでいました。

② 長右衛門ファーム

広大なハウスに一歩足を踏み入れると、一面に広がるベビーリーフがお出迎え。ここでは、「ベビーリーフという特定の品種があるわけではなく、様々な葉物野菜の赤ちゃん(幼葉)の状態のものをミックスしてそう呼ぶんだよ」という意外な事実を学びました。

実際に食べてみると、「これは少しピリッとする!」「この味が好き!」と、見た目と味の違いを発見。最後は、自分の好きな葉をバランスよく詰めて、世界に一つだけの「オリジナルベビーリーフパック」を作ってお土産として持ち帰りました。
全ての行程を終えた児童の皆さんは、たくさんの「本物の味」と体験を詰め込んで、水戸駅から東京駅へと帰路につきました。

編集後記|担当スタッフより

担当:橋本
初めて茨城を訪れる児童が多く、どこへ行っても、目の前の景色一つひとつに対して本当に新鮮で可愛らしいリアクションを返してくれました。その素直な姿を見て、受け入れる地域の農家さんや漁師さんたちもたくさんのパワーをもらい、終始笑顔あふれる温かい時間が流れていました。
私たちがこの旅行で大切にしているのは、その土地でこだわりを持って生きる「プロフェッショナルな人」と出会うことです。彼らが語る裏側の苦労や手間に触れることで、子どもたちの食に対する見方は劇的に変わります。
この旅を終えた子どもたちが、東京のスーパーに並ぶ野菜を見たときに「あ、これ茨城産だ!」と気づけるような、地域と日常を結ぶアンテナが立ってくれたらこれほど嬉しいことはありません。

おわりに

この2月の宿泊学習からわずか3ヶ月後、4年生から5年生へと進級した皆さんは、今度は自分たちの手でお米の命を植える「田植え体験」のために再び茨城へと戻ってきます。
季節をまたぎ、人の想いを繋ぐ東洋英和女学院小学部様の年間探究ストーリー。その5月にまた会えることを、楽しみにしています。